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『三風四雨、早春漕海』      【十ニ】


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2月24日 朝、わずかに凪ぐ。北東の風
花粉症か目が痒い。鼻水もたれる。


佐田辺塚(さだへっか)から岸良(きしら)へ

6時起床。少し遅れて8時出発。
『東から北東の風がまもなく吹くよ』と漁師さんのアドバイス。

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国内では珍しい陸上自衛隊のミサイル発射練習場の下をすぎる。

 標的を積んだリーモートコントロールの小船を沖に配置して
岸からロケット/ミサイル射撃訓練を行うそうです。

 天気図を書く為に聞くラジオの漁業気象通報で
たまに演習のため立ち入りを禁止する海域があるが
こんなところにもあるとは。

 やがて見事な山容の稲尾岳930mの下を通過。
山肌にへばりついたような集落に10時の村内放送が響き渡る。

 時報が鳴ったと同時にこの日の風のスイッチが入った。
凪いだのはわずかに2時間。
8回パドリングして1メートル進んだだろうか?
手が離せないとはこのことだ。

絶壁が延々と続く岸にうねりがぶちあたり、海は鋭く乱れた。
 岸からの反射波のフェイスに左のエッジを軽くかまして、
バウを波の斜面に落としつつサーフィンしながら進む。

 こんな水面の乱れたうねりの中でもコントローラブルなカヤックで安心。
同じモデルが25年続くには何か理由があるのだろう。
 初心者にもお勧めだが、海を十分に知った経験者にぜひ乗って欲しいカヤックだ。

 小さなサーフィンは失敗すると空中に放りだされるだろうが、
他に楽して前に進む手立てがない。
 結局このあと4時間吹かれることになった。

 延々と続く純白の花崗岩の壁に沿ってじわじわと進むだけ。
強風のため、寒さでポギーが役立つ。
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 洞窟やロックガーデンが風を避ける唯一の休憩場所だ。
良く見れば風と波をどちらか避ける場所がロックガーデンの中にある。

14時 岸良の美しいビーチに到着。
この景色を見たとき、旅の終わりの予感がした。
 今年初めての水シャワーを浴びて身体をあらう。

 公園にテントをはり散策にいく。
多目的トイレで携帯のバッテリーを充電した。

 おとなりのおばあちゃんから焼きたてのイモをもらった。
ほくほくした甘い芋だ。
おばあちゃんが『民宿・料理天国』を紹介してくれた。
 水は山の水
風呂は薪を山で拾ってくるから生活にお金は掛からない。
年金生活だよといろいろ話し込む。

 陸の上では菜の花が満開で新緑と花のにおいが充満していた。

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