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セルフレスキューの次に考えること。


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五和町 亀島 ロール&レスキュー講習より

 カヤックを買ったばかりの頃、
毎回海に出るたびにセルフレスキューの練習をしました。
目安が分からないのでとりあえず時間を計りました。

 初めて買ったノースウォーター社のパドルフロートは
発砲スチロールが入った十分な浮力を持っていて
素早く再乗艇ができる安心感がありましたが、
かさばる為、積載に難があるので空気を入れて膨らませるタイプへ買い換えました。

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写真 富岡半島 初心者スクールより

やればやるほど再乗艇も速くなり、効率よく排水も覚え、
『さあ、セルフレスキューはバッチリ』と、
そこでふと気がつくことがあります。
 『これは自分が沈脱するような荒れた海で冷静にできるのか?』と。

 そして限界があることに気がつきます。
 気がつかないのは、多分、そこまでの練習をやってないからです。
 自分が対処できないくらい悪くなる海にはでないこと、
悪くなりそうな海からとっとと、尻尾巻いてあがることを
自分にいいきかせます。

 だけど、この撤退を判断するということが一番難しい。
引き際を見極める難しさは何度海に出ても、同じ条件はなく、
やさしくなるわけではない気がします。
 慎重で臆病な僕は、ちょっと風が吹いただけで、
怖くなって帰ったことが結構あります。

 そのうちの数パーセントが本当に荒れて悪い海になり、
大部分は一時的に悪くなっただけかもしれません。 

 臆病風に吹かれて何度島渡りや、その日のツーリング場所を
変更したことか。いまだに渡れていない島がたくさんあります。
 自分ひとりであれば何とかなっても、仲間や家族といっしょなら、
 安全基準は普段の120パーセントから最大限に
あげます。失敗した時のバックアップもいくらでも用意します。
 判断も一日数回ではなくてそのつど改めます。
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写真 宮崎県北浦町 初心者スクール(2日間)

 海では今、下した判断が、30分後には通用しない時があります。
もっと確実にするなら、漕ぐたびに後ろを振り返り、グループを見回して
そのつど判断します。

 自艇のスクール参加者にしばしば伝えるのですが、陸地があるのなら
無理して漕いで帰る必要はないのです。
歩いて、バスでヒッチハイクで、海上タクシーと方法はいくらでもあります。
バスの時刻表などi-modeで簡単に検索できる場合もあります。
 そもそも家族や大事な友人を連れている時は
ギリギリの判断はしないものですし、避けたいものです。

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