牛深 築の島ビーチにて。7/23のできごとを受けて。
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- 2005年07月26日

このあたりでは唯一木陰が得られるビーチです。スノーケルも良い。
今年は海藻がとても育っていて、去年とはがらりと印象が違います。
『全国シーカヤッキングマップ55』 山と渓谷社 刊でも
触れたこの海域での注意点ですが、
『法が島』南端と『鶴葉山公園』のある岬一体はグラスボートの航路になっており
シーカヤックの立ち入りは基本的にしません。
7~8年前は『築の島』側もグラスボートのコースになっていました。
このコースと時間は江崎汽船のWEBで確認できます。(例外もあります。)
知ることができる危険を避けないのはおろかなことです。
何処の海でもカヤッカーなら常識ですが、わざわざグラスボートの
航路に入って漕ぐことはしないでしょう。
これは一般もプロも関係ありません。
『築の島』に渡る際はいくつか留意していただきたい点があります。

photo M.takuma 写真手前が鶴葉山公園、水路をはさんで築の島。
① 潮汐を確認して渡ること。潮の速い現場はグラスボートも含めて
交通量のある狭い瀬戸です。島から発達した砂嘴のせいで
カヤッカーの視線からはさつき浦側の視界は悪い。
経験有るカヤッカーであれば、
おのずと島へのルートは決まってきます。
②用もなく瀬戸に入ったり、あからさまにグラスボートの運航を妨害しないこと。
交差点のなかで子供がスケボーで遊ぶようなものです。
グループで条件が悪い時に瀬戸をわたる場合は船舶の見張りをたてて、
1艇ごとにフェリーグライドをする。
トリップのリーダー/経験者はいつでもレスキューを行う。
また、必要に応じてトウラインを出す。
*リーダーはフェリーグライド時のトーイングを習熟すること。
対岸は大きくて強いエディとボイルラインが発生する。
積雪期の登山やバックカントリースキーで言えば、
なだれの恐れの有るスロープの横断と同じです。
岬側のビーチに渡るのは海況の悪化や特別な事情などで
チームに危険が迫った時のみです。これまでそんな時は
数回しかありません。また、そんなときは、ここで漕がないでしょう。

築の島瀬戸 強烈な流れは風と潮とウネリが生み出す。
ここではフェリーグライドは必須テクニックです。
渡りきったところには巨大なエディ。そこもグラスボートの通過ポイント。
③ カヤックのコントロールのできない初心者だけで島に
渡らないこと。 現場の海域を熟知したものと入るか
必要十分な経験とトレーニングを積むこと。

photo M.takuma いくつかの条件が重なると4~5ノットの流れが生じる。経験者なら楽しい遊びのフィールドにすぎない。
④あいまいな判断で瀬戸を大人数で渡らないこと。
カヤッカーだけの海ではありません。周囲への配慮が
かけないように、シーマンシップを第一に漕ぐこと。
付近は漁が盛んです。 グループで漕ぐ場合は
一列になって海上の交通をふさがないこと。
パドルが触れるぐらいの間隔でかたまって漕ぎ、
他の船舶に注意を怠らない。
網が入っているポイントには、たいてい旗つきのブイが浮いています。
漁船が周囲にいるときはブイの周辺で立ち止まらないこと。
⑤当たり前ですが、海水浴場で海水浴客がいるエリアからは出艇しない。
子供や人がいる浜への上陸・離岸は最新の注意をはらいます。
実際にはわざわざ人がいるエリアにあがらないでしょう。
サーファーが並んでいるポイントに、
わけもなくサーフカヤッカーが入らないのと一緒です。
どうして突然こんなカヤッカーなら、
言わずもがなの話をブログに書かなければならないのか?
私も困っています。
7/23 土曜日に築の島の瀬戸で起きたことが、
これ以上悪い方向に進みませんように。

photo M.takuma グラスボートは岸ぎりぎりに接近します。
そのため万が一の退路はバックしかありません。
背後に接近しないこと。
どうかカヤッカーがすばらしいロケーションの牛深で、
あまくさに限らず、それ以外のエリアでも、
マナーが悪い一部のダイバーやジェットスキーのように
地元の方から非難されないようにしたい。
今後、こういったカヤックを漕ぐうえで、
当たり前の注意すべきことを
いちいちあげなければならないのだろうか。
参考までにこんなローカルルールの紹介です。
海のカヤッカーはこのような共通の認識が必要です。
三浦半島セイフティシーカヤッキング連絡会のWEB
http://members.jcom.home.ne.jp/mpssn/