四季咲岬灯台 2016/06/20 22:25 南 22 m
- Category: あまくさ 波情報 気象 海象データ
- 2016年06月21日
短期予報解説資料1 ２０１６年 ６月２１日 ０３時４０分発表
１．実況上の着目点
①梅雨前線が華中から西日本を
通り、日本の東にのびて停滞。西
日本の前線上に低気圧があって
東進中。前線に向かって南から
850hPa の相当温位345K 以上の
下層暖湿気が流入。西日本では発
達した積乱雲が発生しており、四
国では60mm/h 以上、九州南部で
は80mm/h 以上の降水を解析。
②九州付近に500hPa で-9℃以下
の寒気を伴う5760～5820m 付近
のトラフがあって、東進中。
２．主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点
①1 項①の前線は、22 日にかけて日本付近に停滞。
前線上の低気圧は、21 日朝には紀伊半島付近、夜には関東の東海上に進む。
21 日は前線や低気圧に向かって、南から850hPa の相当温位345K 以上の下層暖湿気が流れ込み、
北陸・関東地方以北には、500hPa で-9℃以下の寒気が流入するため、
大気の状態が非常に不安定となる。
西日本では21 日午前中にかけて、東日本では21 日夕方にかけて、
非常に激しい雨や局地的には猛烈な雨の降るおそれがある。
土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水に警戒・注意。
西日本ではこれまでの大雨により地盤の緩んでいる所があるため、
通常に比べて少ない雨量でも土砂災害や洪水が発生するおそれがある。
落雷や竜巻などの激しい突風にも注意。
②1 項①の低気圧は21 日朝までに40kt[GW]級に発達する見込み。
西日本から東日本の太平洋側では強風や高波にも注意。
③21 日夜は上空がリッジ場となるため、日本付近の前線の対流活動は小康状態となるが、
22 日朝には、500hPa で-6℃以下の寒気を伴う5760～5820m 付近のトラフが黄海へと進み、
22 日夜には西日本に達する。
西日本の前線周辺には850hPa の相当温位345K 以上の下層暖湿気の流入が強まり、
前線の活動はび活発となる。
22 日は西日本を中心に大雨となる見込み。
土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水、落雷や突風に注意。
４．防災関連事項[量的予報と根拠] ①大雨ポテンシャル(06時からの24時間)：九州南部150、東海120、
関東・伊豆諸島・近畿・九州北部100mm。
②波浪（明日まで）：北海道・東北・伊豆諸島・東海・近畿・
四国3m。
③高潮(明日まで)：大潮の時期。西日本で注意報基準を超過する所がある。
５．全般気象情報発表の有無 「大雨と雷及び突風に関する全般気象情報」を5 時頃に発表予定。
大雨と雷及び突風に関する全般気象情報 第５号
平成２８年６月２１日０４時１５分 気象庁予報部発表
（見出し）
梅雨前線の活動が活発となり、九州では記録的な雨を観測するなど、西日本
では大雨となっています。２１日夕方にかけて、西日本から東日本では、大
雨による土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水やはん濫に警戒してくださ
い。
（本文）
［気圧配置など］
梅雨前線上の低気圧が、瀬戸内海にあって東に進んでいます。この影響で
梅雨前線の活動が活発となり、大気の非常に不安定な状態が続き、西日本で
は積乱雲が次々と発達しています。
低気圧の東進に伴い、２１日夜にかけて東日本太平洋側でも積乱雲が次々
と発達するでしょう。
［防災事項］
２１日は、西日本と東日本では雷を伴い非常に激しい雨が降り、局地的に
は猛烈な雨となるでしょう。
２２日０６時までの２４時間に予想される雨量は多いところで、
九州南部 １５０ミリ
東海地方 １２０ミリ
九州北部地方・近畿地方・関東甲信地方 １００ミリ
中国地方・四国地方 ８０ミリ
の見込みです。
熊本県甲佐では２１日００時１９分までの１時間に１５０．０ミリの記録
的な雨を観測するなど、熊本県を中心とした大雨で、西日本では地盤が緩ん
でいるところがありますので、土砂災害に厳重に警戒してください。
西日本と東日本では、土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水やはん濫に
も警戒・注意してください。
また、２１日は西日本から東日本の広い範囲で、落雷や竜巻などの激しい
突風に注意してください。発達した積乱雲の近づく兆しがある場合には、建
物内に移動するなど、安全確保に努めてください。また、降ひょうのおそれ
もありますので、農作物や農業施設の管理にも注意してください。
［補足事項等］
地元気象台の発表する、警報や注意報、気象情報等に留意してください。
次の「大雨と雷及び突風に関する全般気象情報」は、２１日１７時頃に発
表する予定です。