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波濤


土曜日のコースは春一番の翌日で、西海岸は大きなうねりが入っていた。
 東進55キロの低気圧なので、条件がそろえば初心者コースは開催できることがある。

 冬の西伊豆の大西風には及ばないけれど、なじみの水路は
危険な遊園地になっていた。
こんな日もミサゴはいつもどおり、狩をしている。

 ゲストを安全な空間に残して、するすると満潮の水路に入れば、
外海への出口で波が踊っている美しい様子にしばらく見とれる。
 
 スローモーションのような空間を感じながら
盛り上がったセットが瀬と水路を一気に飲みこむ合間に戻る。
心強いことに緑色の不知火Ⅱは完全に僕のコントロール下にある。

 腕が落ちているのは重々承知ですが、たまには刺激もないと。ね。

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