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ラダーの動きを観察してみる その2 〈トラブル編〉


ラダー
 実際のラダーのトラブルとその対処をあげてみます。




① ラダーワイヤーとペダルをつなぐカシメがとれる。
一旦上陸してプライヤーなどで新しくかしめなおす。
上陸に適した場所がとれないエリアや
数十キロの横断中になるとかなり厄介です。
 普段、ラダーに頼り切って漕いでいる方は、
相当注意をはらう必要があります。

 見ただけでは分かりにくいのが難点。
折り返したワイヤーを二重にかしめるのも良いかも。
 アルミのカシメは¥80くらいで、ホームセンターなどで入手可能。

② ラダー本体が波の力でラダーの固定軸から引き抜かれる。
カレントデザイン、ウォーターフィールドでラダーの軸を
支える白いプラスチック製のワッシャーがすりきれて、
ラダー本体がぐらぐらする。そして波にもまれて引き抜かれる。
 普段から、ラダーをあげずに上陸するのは避けたい。
ロックガーデンや岩礁帯ではラダーは上げておきます。
 使用頻度が高いカヤックは要注意。

 ラフな海の二人艇でこれがおきると、スターン・マンは
ずっとスターン・ラダーでカヤックをコントロールしなくては
ならない。まるで荒修行。パドルが短い時はほんとに大変。
 上陸しないと修理箇所には手も足も出ない。

③ ワイヤーとラダー本体をつなぐ部分がナットやネジの
脱落をおこす。意外とあったりする。最悪なのは
ねじの下側にワイヤーがセットされていた場合、
何の抵抗もなくワイヤー末端が海中に垂れ下がる。

 工場出荷状態のカヤックでこの状態のものを見つけたら、
直ちにねじの上側に付け直す。一つのバックアッププランです。
もちろんナットに脱落防止の加工が施されているものもある。

④ワイヤーが擦り切れる。
まだいけると思っていたら、ある日突然切れる。

 何本もの極細のワイヤーをよって一本のワイヤーとなる。
早めの交換しかない。特にレンタルのカヤックは用チェック。
 ロックガーデンで岩に押し付けられた状態でサーフィンを
繰り返すと、みるみる切れていく。
ワイヤーは消耗品です。

⑤ニンバス艇でペダルとワイヤーをつなぐナイロンベルトが
糸のほつれにより外れる。 
これは普段からチェックしておけば事前に防げるトラブルです。
縫い合わせる時は生地に負けない太い針を使います。

⑦トラブルではないが、ワイヤー末端のささくれにより、
作業中、不注意で指と爪の間に
極細のワイヤーがささり、化膿した。

 少ない経験から挙げていますので
他にもまだまだあるかもしれませんが、
こういうことが起きた場合はこうするという
その対処法を知っておけば、海でのリスクを減らすことができます。

 しかし、いままでに経験のないトラブルが起きた場合、
どうしてよいか分からず、慌てることがあるかもしれません。
それはほんとに想定外のことでしょう。

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