短期予報解説資料1 2024年6月21日03時40分発表 気象庁
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- 2024年06月21日

2024年06月21日11時 熊本地方気象台 発表
1.実況上の着目点
① 前線が華中~九州南部を通り、日本のはるか東にのびている。
西日本付近の500hPaのトラフに対応して、前線上の九州の西には低気圧があって東進。
前線や低気圧に向かう下層暖湿気の影響で、大気の状態が非常に不安定となっており、
西日本では激しい雨を解析。
特に九州南部では雷を伴った非常に激しい雨を観測し、鹿児島県では土砂災害警戒情報を発表中。
② 500hPa 5700m付近のトラフと対応する低気圧が沿海州付近を東南東進。
低気圧に向かう湿った空気の影響で、北海道付近では海上中心に10 ㎜/h 前後の雨を観測。
2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点
① 1 項①の前線上の低気圧は、21 日朝に四国の南へ、21 日夜には関東の東へと進む。
低気圧周辺では
21 日朝にかけて、中国大陸方面から入る下層暖湿気と太平洋高気圧を回る
下層暖湿気との合流場となって大気の状態が非常に不安定となり、
雷を伴って非常に激しい雨が降り、大雨となる所がある。
特に九州南部では、21 日午前中にかけて、
線状降水帯が発生して大雨災害発生の危険度が急激に高まる可能性がある。
21 日は、九州南部では土砂災害に厳重に警戒。
西日本や伊豆諸島では土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に警戒、
落雷や竜巻などの激しい突風に注意。
② 東日本~東北地方では、
21 日は日本の東の高気圧を回る下層暖湿気や日射による昇温の影響で、
山沿いを中心に、大気の状態が不安定となる所がある。
雷や突風、短時間強雨に注意。
③ 1 項②の低気圧は、
22 日にかけて北海道付近を通り千島近海に進む。
低気圧に向かって下層暖湿気が入るため、大気の状態が不安定となる所がある。
北海道地方では22 日にかけて、落雷や突風、急な強い雨に注意。
④ 2 項①の低気圧周辺や前線の近傍では、
気圧の傾きが大きくなり、強い風が吹いて、波が高くなる所がある。
西日本及び東日本太平洋側では、22 日にかけて、
強風や高波に注意。
⑤ 22 日夜までに前線上の黄海付近で低気圧が発生して東進し、
23 日から24 日頃にかけて日本列島に接近。
この低気圧や前線に向かって下層暖湿気が入り大気の状態が不安定になる見込み。
今後の低気圧の動きや下層暖湿気の流入の動向に留意。
3.数値予報資料解釈上の留意点 総観場はGSM を基本、量予想や降水分布はMSM やLFM も参考。
4.防災関連事項 [量的予報と根拠]
①大雨ポテンシャル(06 時からの 24 時間):伊豆諸島 180、九州南部120mm。
②波浪(明日まで):伊豆諸島・近畿・四国・九州北部・九州南部・奄美3m。
③高潮(明日まで):大潮の時期。西~東日本で注意報基準を超過する所がある。
5.全般気象情報発表の有無 「大雨と雷及び突風に関する全般情報」を5 時頃に発表予定。