スパルタン450のプロトテストをおこないました。
- Category: シーカヤック カヤック 中古艇
- 2005年02月01日
良いテストになりました。
450センチとは思えない追い波サーフィン時のスピードと
素直なコントロール性でした。
ちょっと長いですが、個人的に感じたことを書きます。話半分で聞いてください。
このカヤックの乗り手の対象に比べて
私は体重が重すぎます。
(テスト時は空荷です。当日の風は北~北西およそ5~7メートル。
場所は松島の西目海水浴場から飛竜島までの往復6キロあまり。
波は1~0.5メートル。パドルはダブルダッチ・ブリーズ215センチ使用。
私は身長が170センチ、体重が63キロあります。
普段はショアライン・フェーゴか不知火Ⅱに乗っています。)

横波・横風。後ろ斜め追い波(左・右)斜め前向かい風(左・右)
の風見鶏現象(ウエザーコッキング)についてもほぼ影響なく、
十分な保針性があり、かつニュートラルです。
バックサーフィン時の癖もなく、不知火Ⅱより
コントラーブルに感じました。
ロー・ブレイス・ターンやテイル・スキッドなどのスターンを
滑らせる時の動きは、体重が軽い方にはあれくらいでよいのではないでしょうか。
バウが向かい波を切り裂き、進んで行くときも好感がもてます。
左右へのドロー、スカーリング時も喫水線は下がっていても
十分スムーズでした。
デッキも低くて風の影響をほとんど感じさせませんでした。
何よりもコックピット周りのデザインが斬新で私は好きです。
サイブレスの機能があってデザインが生じている。当たり前のように
思えるけれど、機能から生まれたデザインは美しい。
k-1サイズのコックピットの大きさも十分です。
足回りに関しては、身長150センチ前後の女性が乗ったときに
膝がデッキをきちんと押し上げたり、ペダルをしっかり
踏みやすいでしょう。
多分、レールの高さとデッキの深さがマッチしています。
具体的に言えばは、かかとがハルに接地せず、
空中で両足を突っ張る必要はもうないでしょう。
これについては、念のため確認してください。
良心的なアウトフィッターなら、小柄な150センチ以下の
女性や子供たちが参加されたときのフィッテイングで
頭を悩ませた覚えは必ずあります。フエゴやフリーウォーター、ペンギンでも、
ぎりぎりつまさきが届く女性は少なくありません。
たとえ届いても膝が伸びきっていて、ペダルに力がかけにくいものです。
膝を使ったカヤックのコントロールを行うベース・テクニックやロールの講習な
どでは明らかなハンデになります。
カヤック全体の安定感はスキルやパワー、体重の問題を差し引いても
あれぐらいではないでしょうか?
回転性と直進性(バウがふらふらしない)のバランスがよいです。
艇身も短いので深く傾けて、維持するようなことは
あまりないのでは。(スクールでのカービング・ターンの練習以外)
洞窟やタイドプール、ロックガーデンが楽しみです。
サイズと重量も小柄な女性/男性にとって、
車に積むことが非常に楽になり、
これまで乗りたくても長く重いカヤックに購入を躊躇していた女性や
ハンデキャップのあるカヤッカーにも朗報です。

(写真は加工前のプロトタイプ)
新しいトグルのシステムはカタカタと音もならず、持ちやすいでしょう。
いままでトグルの下に指を入れて荷物が満載の時に運ぶと、紐が
指に当たって痛かったり、握りづらかったものです。
デッキラインとショックコードで連結されていてすっきりと見た目も良い。
デッキライン自体が解けたり緩んでも簡単に調整が可能です。

手間がかかって大変ですが、デッキラインの処理は楽しみです。
いつも見えているバウ側のデッキから突起物が消えるのは、デザイン上もかっこよいです。
(写真は加工前のプロトタイプ)
前後のハッチの大きさも十分使いやすい大きさです。
不知火と同じタイプの二重のハッチカバーは、サスケの一重のハッチシステムで
躊躇した人も、安心して選択できるでしょう。
ハッチの容量もデイツーリングに十分です。
シートの高さはまだ1~2センチくらい下げても良いと思います幅にたいしての安定感が増します。
これからのカヤックシーンを変えていく1艇になると思います。
これはもう不知火とは異なる新しいカヤックです。リバーツーリングも面白そう。
時間はかかってもいいので、キャンプツーリングもスクールも
こなせる500センチ前後のミドルクラスにアップしてほしい。